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特別利益の開示

特別利益の秘策を持っておく

本日は、こちらの開示を取り上げます。


特別利益及び特別損失の計上に関するお知らせ
 
近鉄百貨店

内容は、特別損失が8億円発生し、特別利益も8億円発生します、というものです。

損失の内容は、外国人への免税販売において国税から指摘を受けたことによる税金支払いです。
免税販売に関する国税指摘が他の小売企業でも散見されますが、小売店側が厳格に免税要件のチェックを行う制度自体の実務負担が重く、チェック内容も複数にわたっており、現場は大変です。さらには、制度を悪用する業者が存在し、小売現場での確認に限界が生じる、制度のひずみとも考えられます。適時開示上も「見解の相違」とコメントが見られます。(国税の無理な指摘事項に対して、ケンカしても仕方ないが承服しかねる場合に記されるコメントの典型)

本題は、特別利益のプールについてです。
このような不測の損失に対して、CFOならどう対応するか。本件では、保有する有価証券(おそらく持ち合い株式でしょうか)の売却益で損失をカバーするとの内容です。

市場から見れば、業績えの影響を回避したことへの評価もあるでしょうし、昨今の持ち合い株式解消議論からすれば、さっさと売却してキャッシュに変えて配当しなさい、という向きもあるかもしれません。

見解は様々でしょうけれども、CFOとしては、約束した利益を確保することは至上命題であり、不測の事態によって未達でしたと終るのか、益出しできる秘策を使うのか、その手腕が問われるケースかと。

長年営業していれば、特別損失になりかねない案件の一つや二つは抱えていると思いますが、一方で、いつでも益出しできる秘策を持っていれば心強い気がします。(秘策なのでこっそり隠し持つ必要があると思いますが)