先日、監査等委員会設置会社へ移行するケースを取り上げました。
監査等委員会設置会社へ移行したら – 西田公認会計士 CFO事務所
本日は、
意思決定の迅速化メリット(業務執行の決定を取締役会ではなく各取締役に委任できる制度)について調べてみました。
監査等委員会設置会社へ移行するケースにおける、移行理由に必ず記載される文言「意思決定の迅速化」とは、本来取締役会で決議していた議案について、各取締役に任せてしまう、という内容です。
そもそも、重要な事項は取締役会でいちいち決めなければいけない、というルールは会社法に定められており、この手続きを欠いてしまうと会社の行為としても、取締役の義務としても問題となるため、取締役会で慎重に決議するものであります。
このようなルールにもかかわらず、合法的に取締役会決議なしで業務執行が可能となる方法として、監査等委員会設置会社への移行が行われているわけです。
では、実際にどの程度、各取締役への委任が行われているのか、日本監査役協会の調査が行われており(リンクPDF)、大変参考になります。
実際に、借入、投資、組織・人事、財産処分等に関して、(金額限度は設けつつ)委任が行われていることが伺える内容です。一方で、制度は導入したものの、まだ、各取締役への委任は行っていないケースも多いようです。
従来は取締役会に上がってきていた業務執行内容について、議案化されないため、各取締役や監査役による監督機能の実効性を維持するための配慮が必要になるので、このあたりの監督実務上の対処についても引き続き調べていきたいと思います。