【CFO学 実務セミナー】
理論や座学じゃなく、リアルに現場で戦うために
●財務戦略とは
<会社を成長させるもダメにするも財務戦略次第>
【第①回テーマ:現状把握】
- なぜ現状把握か?
財務戦略の前提として、自社の財務状況が完璧に頭に入っているでしょうか?毎月の収入・支出がいくらあり、キャッシュフローがプラスかマイナスか。
また、これら情報が財務部長以外の役員メンバーの頭にも入っているでしょうか。
特にCEOや新規事業担当役員の頭に入っていることによって、事業投資や戦略づくりが不可能なものにならなず、実現可能性が高まるからです。(現状を承知の上で無理をしていくということはあり得ますが) - 自社の財務状況を口頭で言えますか?
財務管理担当者はもちろん自社の資金繰りが頭に入っていると思います。では、変数によってどう変化するかについても完全に把握できているでしょうか。収入でいえば、売り上げ単価×販売数量であり、それに連動する原価はどのように変動するでしょうか。 - 毎月の収入額、経費支出、返済や利息、人件費内訳は?
毎月の出金のうち、固定費・変動費の内訳は分類できているでしょうか。
固定費・変動費のうち、削減できるものとできないものは分離できているでしょうか。
不測の事態で資金繰りが難しいときに削減できる項目がいくつあるでしょうか。削れる変動費、支払い条件の変更が可能な相手先、などです。
いざという時にいくら削減できるか、財務担当者にとってのバッファとして持っておきたいものです。 - 毎月発生しない単発の支払いも頭に思い浮かぶでしょうか?
税金支払いなど、年に数回かつ多額の資金を要するものに対する準備は常にできているでしょうか。今季の税金支払い見込額の準備はできているでしょうか。中小企業で良く用いられる、源泉税の納付特例や労働保険料などついつい見落としがちな支払いはしっかりと資金繰予定表を作成して管理が必要なものです。 - 来期は借入いくら必要?
上記の管理と準備ができていれば、資金繰予定表の作成は難しくないですし、来期に必要な追加資金の把握も容易になります。
資金調達には時間がかかるため、半年前(できれば1年前)から動いておきたいものです。
事業で急に資金が必要になったりしますので、時間的にも金額的にも余裕を持って準備し、金融機関にも事前に想定を伝えておくことで運転資金の安定度がかなり高まることはご承知のとおりです。
次回は、②財務戦略のためにどのような情報を把握するか、についての内容となります。