本日は、役員やキーマンが辞めないように引き留める（リテンション）方法に関して、こちらの開示「新株発行（ビザスク）」を参考にしたいと思います。
開示の内容は、買収した会社のキーマンが辞めてしまうと、期待した買収効果が得られないため、会社に残ってもらうために付与した特別株式報酬に関するものです。
上場会社特有の手法にはなってしまいますが、欧米同様に、株式を使ったインセンティブ報酬の導入が定着しています。→MUFG調査結果
手法は様々であり、法解釈や税務上も少し複雑ではありますが、ざっくり言えば、一定期間勤務を継続したら＋業績が一定以上になったら、報酬が与えられます、というボーナスに近い形です。
日本企業の場合、人参のようにボーナスをぶら下げられることがモチベーションになる人、ならない人がいるような気がしますが、このような制度が導入された趣旨の一つは、株主と同じ目線で経営することに置かれています(ｺｰﾎﾟﾚｰﾄｶﾞﾊﾞﾅﾝｽｺｰﾄﾞ制度)。
上場を目指すスタートアップ企業ではストックオプションによるインセンティブを与えるケースは多いですが、実現性が必ずしも高くないのが実情ではないでしょうか。
また、上場予定のない中小企業においては、取りうる選択肢は金銭報酬などに限られてしまいますが、買収の効果を損なわないためにキーマンのリテンションは最大限取り組みたいものです。